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衆院選、終わってみれば自民党は「絶対安定多数」の261議席

日曜の夜は家内と衆院選の開票速報を見守った。わが選挙区は自民と立民の候補が激突する選挙区だったので、途中経過が出るたびにハラハラドキドキしっぱなしだった。

予想通りの大接戦だったが、応援した候補が無事当選。1対1でも立派に戦えることを証明してくれてうれしかった。

他局はどうか分からないが、NHKを見ていて感じたのは、インタビューする政治部担当者にしろ、それに答える立憲民主党の党首・幹事長にしろ、候補者一本化で立憲民主党が相当伸びると見ていたようで、議席増は当然という雰囲気があったことだ。

番組では、NHK出口調査の結果が示され、東京1区は立民の海江田万里氏が優勢とか、東京8区で石原伸晃氏がかなり離されているとか、神奈川13区も甘利明氏が厳しいとか、あるいは自民重鎮の選挙区でも党税制調査会長まで務めた野田毅氏が危ないとか、番組が始まってまだ大して時間が経っていないのに、解説者は出口調査の結果から「自民には厳しい結果が見込まれる」という口ぶりだった。

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何時頃だったか忘れたが、画面右下に自民党議員(匿名)の「だから河野氏を総裁に選んでおけばよかったんだ」という趣旨のコメントが出た。午後10時前後だったような気がする。つまり、その頃は事前予測通り、大幅に議席を減らすだろうという感じで開票速報が進んでいた。

雰囲気が変わったのは深夜12時に近づいてきた頃だろうか。当選ないし当選確実が出た小選挙区をブロックごとに見ていくと、断然、赤色(自民)が目立つのだ。近畿は例外的にオレンジ色(維新)が多かったが、全体的にブルー(立民)はそんなに多くない。接戦区は空白でなかなか決着がつかず、当初予測通りならブルーになるはずなのに、空白のまま残っていた。

麻生太郎副総理の「北海道でうまい米がとれるのは温暖化が原因」発言(ご本人に悪気はないのだが)で、北海道と東北は自民が全滅するかと思われたが、そうでもなかった。

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「おやっ」と思いながらなお見ていると、競っているところを結構、自民が取っているではないか。東京1区も海江田氏を下して自民の山田美樹氏が競り勝った。

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東京1区NHK出口調査の結果

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東京1区の最終結果――NHK特設サイトから

自民は早々と自公で過半数(233議席)を獲得し、そこから伸び悩むこともなく自民単独過半数に徐々に近づいていった。単独過半数を制すると、今度は安定多数(244議席)が視野に入る。

一方の立民はなかなか議席が増えない。比例復活が少ないという印象だ。「これじゃあ、140議席も夢ではないなんて報道もあったけど、ちょっと無理じゃないか」などと家内と話したものだ。

家内は「あんなに批判ばっかりしていたんじゃねえ」とか「共産党と組むなんてありえないわよ」などと立民には結構厳しい目を向けていた。仕事で出掛けたとき、ある大きな駅で自民党候補の演説会があり、たまたまその近くを通って驚いたという。応援弁士が安倍元総理だったのでものすごい熱気だったそうだ。安倍さんの話は受けが良く、聴衆から「そうだ」とか「その通り」とか、ぽんぽん声が出て盛り上がるらしい。

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衆院選2021の結果――NHK特設サイトから

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衆院選2021の各党獲得議席数――NHK特設サイトから

ともかく、審判は下った。結果は自民党絶対安定多数といわれる261議席を獲得、立憲民主党は現有109議席を13議席も下回って96議席にとどまった。

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自民党の粘り勝ちで、事前報道が厳しかった分、危機バネが働いたのかもしれない。逆に立民の方は、候補者一本化に成功した選挙区はある程度勝てると見て、いわば机上の計算で舞い上がっていたところがあるのではないだろうか。

私には、産経新聞の次の総括が腑に落ちる。

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野党の立憲民主党共産党、国民民主党などは289選挙区のうち213選挙区で候補を一本化した。135選挙区で事実上の与野党一騎打ちに持ち込み、与党候補を苦しめた。

しかし、立民と共産が政権奪取後の「限定的な閣外協力」で合意し、立共「共闘」態勢を整えたのは拙速な選挙戦術だったといえる。「日米同盟が基軸」とする立民に対し、共産は「日米安保条約の廃棄」などを掲げ、基本政策が一致していないからだ。

衆院が解散されてから、中露海軍の艦艇が日本を1周する特異な行動に出た。北朝鮮弾道ミサイルの発射を繰り返す。外交・安全保障は大きな争点にはならなかったが、立共共闘はふるわず、両党に「国の守り」を託すことを国民は敬遠したようだ。

確かに、党首討論会でも報道番組の討論会でも、外交・安全保障政策はあまり話題にならなかった。自民党総裁選では「敵基地攻撃能力」の保有の是非が論じられたのに、衆院選ではそうしたテーマでの論戦はなかったように思う。

しかし、有権者は立民や他の野党(維新を除く)の主張に漠然と不安を感じ、外交・安保政策が自民と変わらない維新が自民批判票の受け皿になったのかもしれない。

面白かったのは、番組の途中、出口調査で明らかになった「岸田内閣の支持率」、「政府のコロナ対応への評価」が画面右下に表示されたことである。それによると、岸田内閣の支持率は61%、不支持が39%だった。政府のコロナ対応を評価するとした割合は67%、評価しないが33%。

どうやら質問は二択だったらしい。岸田内閣の支持率61%は、まあまあだろう。思わず笑ったのは、政府のコロナ対応を「評価する」が67%と非常に高かったことだ。わずか2カ月前、この数字は真逆、いや評価する割合はもっと低かった。まことに世論は移ろいやすい。

この2カ月で政府のコロナ対策に大きな変化があったわけではない。変わったのは、新規陽性者数が劇的に減って、緊急事態宣言が解除、さらに時短・休業要請、入場制限なども撤廃されたことである。そしてワクチン接種が順調に進み、2回接種率は70%を超え、世界トップクラスに追いつくところまできた。

これはすべて菅内閣の遺産と言っていいだろう。菅内閣が試行錯誤しながら必死に取り組んだことが、ここへ来て誰の目にも分かるような成果となって表れた。その結果の「評価する」67%である。

岸田内閣は運がいい。菅内閣の政策が具体的な実りをもたらしたところで衆院選を戦うことができたのだ。

なお、開票速報では、安定多数、絶対安定多数という言葉が何度も出てきた。意味を忘れないように検索してみたら、日経新聞の解説がわかりやすかった。以下はそのリンク。NHK候補者アンケートの結果も、今後何かと参考になるかもしれない。

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