回り灯籠

憲法9条を改正して「一国平和主義」から脱却を!

フォークの神様・岡林信康が歌う韓国民謡「ペンノレ」

BS4Kは南米イグアスの滝を取り上げたNHKの番組を見て以来、その美しさと精細な画像にすっかり虜になってしまった。4Kリマスターされた黒澤明監督の「羅生門」や「乱」も良かったが、新作ドラマでは、内野聖陽主演の「スローな武士にしてくれ~京都撮影所ラプソディー」が抜群に面白かった。これは映画「蒲田行進曲」へのオマージュだろうが、4Kの撮影技術の宣伝も兼ねていて、なかなか斬新な番組だった。

NHKは4Kで高画質の新番組を制作するだけなく、昔の番組の映像・音声のクオリティーを上げてBS4Kで再放送するということをやっている。「新日本紀行」など、時々だが、50~60年前の日本はこうだったのかと感慨深く見ている。当時の番組を放送した後、その土地の現在の様子も見せてくれるので、半世紀余りの間の日本社会の変化の大きさには驚くばかりだ。

時代は巡り、時代は変わる。しかし、良くなった面もあれば悪くなった面もあるようだ。「古き良き日本」は今、この国にどれだけ残っているのだろうかと残念な気持ちになることが多い。

この前、4Kの番組表を見ていたら再放送で「ふたりのビッグショー」をやっていたので録画して、後で見た。出演は泉谷しげる岡林信康。1993年の番組だ。

泉谷しげるは「春夏秋冬」や「春のからっ風」「眠れない夜」が有名な持ち歌。私は拓郎のファンだったので(といってもフォーク全盛期のファンとは世代が違うが)、フォーライフレコード4人組ということで陽水や泉谷、小室等も一応は知っている。

しかし、岡林信康に関しては「フォークの神様」という知識があるだけで、今回この番組を見るまで歌声を聞いたことがなかった。

外見も語りも歌も岡林の方が洗練された都会人といった趣で、泉谷は土俗的、原始的で、狂気じみた一面ものぞかせていた。だが意外にも、岡林によると泉谷しげるは田舎というものをまるで知らない都会人なのだそうだ。一方の岡林は一時、音楽活動を休止して農業にいそしんでいた。

その岡林を「師匠」と呼んで慕っていた泉谷が、ある日、農業を手伝いに来たという。岡林から「キュウリの苗を植えてくれ」と頼まれた泉谷が、任しとけとばかりに畑仕事をして、「できたから見てくれ」と言うので行ってみたら、畑の上にあるはずの苗がどこにも見当たらない。よく見たら、逆さまになった苗が土中に埋め込んであったという。岡林は「つくづく泉谷という男は都会の人間なんだなと思った」と言って会場の笑いを誘っていた。

さらに意外だったのは、フォークの神様のイメージを吹き飛ばすかのように、岡林が韓国民謡「ペンノレ」をサムルノリの面々も加わって熱唱したことだ。

www.youtube.com

日本の民謡とも歌謡曲とも違う異質な音楽なのだが、完全な外来音楽という感じでもない。日本人にも聞きやすいようにアレンジされているのだろう。非常にいい曲で、自然と身体を動かしたくなる溌剌としたリズム感が素晴らしく、メロディーは一度聴いたら忘れられない。韓国の太鼓、鉦(かね)、横笛のほか日本の三味線も登場する。

字幕には「ペンノリ カーチャンダ」とあり、岡林は「ペンノリ カチャンダ」と歌っていた。「オギーヨッチャ」は、ネットで検索すると「オギヨンチャ」で気持ちを奮い立たせ鼓舞するようなかけ声だそうだ。

ユーチューブにアップされたものは、おそらく1993年放送当時の録画だろう。

また、石川さゆりが「ペンノレ」と「ソーラン節」を続けて歌っている動画もあった。どちらも心身のエネルギーを全開して歌う漁の歌(舟歌)。いい組み合わせだと思う。ただし、石川さゆりには「ソーラン節」の方が性に合うようだ。

www.youtube.com