ロシア国防省が、ウクライナ国境付近からロシア軍部隊が一部撤収を始めたとする映像を公開したのは2月15日。その後、ドイツのショルツ首相がモスクワを訪れプーチン大統領と会談、「緊張緩和に向けた良い兆候だ」と評価していた。
プーチンは「今後も撤収を進めるかどうかは状況次第」と述べたとされる。
日経モーニングFT2月16日は、プーチン大統領がショルツ首相との初会談を前に、エネルギーで関係の深いドイツに恩を売ったのではないか、と解説した。
ところが、ちょうどその頃、ベラルーシではウクライナ侵攻に向けて国境付近を流れるプリピャチ川に浮橋を作り、戦車部隊や軍用車両がいつでも渡河できるよう準備をしていた。
ロシア発の「一部撤収」報道はショルツ首相に花を持たせるための偽装だった。プーチンは恩を売ったつもりかもしれないが、ロシアの侵攻後にこの事実を知ったショルツ首相にしてみれば、怒り心頭、「ふざけるな」という気持ちだったろう。
この時点で、既にロシアがウクライナ侵攻を決定していたことは明白だ。
プリピャチ川の浮橋については、日経が衛星画像を元に詳細な分析をしている。
日経特設サイトの中程の写真を見ると、2月14日は存在しなかった橋が、15日はきれいに完成していることが分かる。橋は1日で一気呵成に作られた。
その浮橋の姿は、CNNニュースにコメントを付けたはてなユーザーのリンクから確認できた。