ゼレンスキー大統領のオンライン国会演説が終わって安堵した。ひょっとしてれいわ新選組が何かやらかすのではないかと心配したが、杞憂だった。
それにしても共産党議員は、どんな気持ちでこの演説を聞いたのだろう。
何しろ共産党はウクライナ軍人や領土防衛隊隊員の命を守る防弾チョッキの支援にさえ反対した。共産党議員は、演説終了後、拍手したのだろうか? スタンディングオベーションしたんだろうか?
ゼレンスキー大統領が「日本はアジアで最も早くロシアに制裁を行い、ウクライナを支援してくれた。日本に感謝する」と述べたとき、共産党議員は恥ずかしくなかったのか?
彼らがもし立ち上がって拍手したのだとすれば、「どの面下げてそんなことができるんだ!」と言いたい。共産党議員は、駐日ウクライナ大使のところへ行って、「私たちは防弾チョッキの支援に反対しました。申し訳ありません」と頭を下げて謝罪すべきだ。
ゼレンスキー大統領は、日本の国民性や国会の特殊性をある程度わかって演説したと思う。
もっとも、同時通訳の質が低くて閉口した。同時通訳は経験豊富なNHKに任せるべきだった。NHKは何人もの担当者が交代しながら通訳していく。同じ人が10分以上ずっと通訳を続けるのは無理がある。日本語能力に劣る通訳の場合はなおさらだ。
ゼレンスキー大統領は「日本の支援への感謝」を前面に出し、日本には受け入れがたい、あるいは賛否が分かれるような要求は出さなかった。これが非常によかったと思う。
少し前、日本の衛星のデータを求めてきたそうだが、あれはどうなったんだろう。私はそれが軍事利用であっても協力すべきだと思う。なぜなら、軍事利用といっても、それは国家の自衛目的であることが明々白々であるからだ。
しかし、これは賛否の分かれる問題である。安全保障観の全く異なる政党が同居し、軍事を毛嫌いする議員も多い日本の国会で演説する以上、そういう問題に触れるのは避けた方がいい。
日本の文化がウクライナ人に受け入れられているという話もよかった。向こうで日本の昔話が使われているというのは、心温まる話だ。
とはいうものの、ロシアが不法占拠を続ける北方領土の問題に触れて、日本人が北方領土の奪還を諦めないのと同様に、我々もクリミアや東部親ロシア派勢力の占領地の奪還を諦めることはできないのだ、ぐらいのことは言ってもよかったのではないか。
少々物足りなさを感じたのも事実である。
追記
「侵略の津波」と言ってたのか。やっぱり同時通訳がよくない。そこは聞き取れなかった。この文脈での「ロシアとの貿易などを禁止しなければならない」という発言は非常に重い。
上の「AERA.dot」の訳文は、一部意味不明の箇所がある。
さすがゼレンスキー。穏当なことを言ってるように印象づけながら、非常に痛いところをついている。その通りで、日本はロシア産原油、天然ガスの購入をやめなければいけない。折しも、ロシアは平和条約交渉の停止を通告してきた。原油、天然ガス代金をルーブルで払えとも。
ロシアから手を引く絶好のチャンスだ!