回り灯籠

憲法9条を改正して「一国平和主義」から脱却を!

バイデン政権の核巡航ミサイル開発断念で揺らぐ「核の傘」

日本に近接する3大核保有国(ロシア、中国、北朝鮮)の脅威

日本の近隣にはロシア、中国、北朝鮮という3つの核保有国がある。ロシアは核攻撃をちらつかせてウクライナを侵略した。中国の脅威が現実化してから日本は国土防衛の主軸を南方にシフトさせたが、これからはロシアの脅威にも真剣に対応しなければならないだろう。

ロシアがソ連だった時代、自衛隊の仮想的はソ連だった。ソ連が攻めてくるとすれば、真っ先に戦場になるのは北海道だと考えられた。このところロシアが北方領土での軍事演習を活発化させているというニュースをよく聞くが、不気味だ。

ソ連終戦時、北方領土のみならず、北海道まで占領しようとした国である。日本軍が千島列島を南下するソ連軍と身を挺して戦い、時間を稼いでくれなかったら、北海道の東半分はソ連領となり、日本も分断国家になっていたかもしれない。

尖閣諸島を狙い、攻勢をかける中国。狂ったように弾道ミサイル極超音速ミサイルを発射し続ける北朝鮮

こういった国々が我々の目と鼻の先にでんと構えているというのに、わが国の中には、愚かにも憲法9条と「非核三原則」さえ守っていれば平和が続くと思っている人たちがいるようだ。

いともたやすく平和を破壊されたウクライナでは、いま、人々が死にもの狂いで戦っている。男も女も「祖国を守るために戦う」と言い、夫を戦場に残して避難した女たちも「早く戦争が終わってほしい」とは言うが、「降伏すべきだ」とは絶対言わない。

平和を守るために不可欠な3つのもの

平和を守るために必要なものは少なくとも3つある。

  • 1つは、国を守るためなら武器を取ってでも戦うという国民の強い愛国心と勇敢さだ。ここで「国」を「自由と民主主義」と言い換えてもいい。
  • 2つめは、抑止力を担保する十分な軍事力。
  • 3つめが、いざという時に一緒に戦ってくれる同盟国だ。

ウクライナには愛国心と勇敢な精神があった。これは素晴らしいことだ。この先ウクライナがどうなるか予断を許さないが、大国ロシアを相手に一歩も引かずに戦い続けるウクライナ軍やかの国の人たちの敢闘精神は、後世まで語り継がれるだろう。

ところで、わが国にはこの3つがあるだろうか?

悲しいことに、全部はない。あるのは、同盟国だけ。ただ、この同盟国と結んだ日米安全保障条約は片務的であり、アメリカは日本に対して集団的自衛権を行使できるが、日本はアメリカに対して部分的にしか行使できない。

それも2015年に安倍首相が連立相手の公明党を説得し、「戦争法」とデマを流す朝日、毎日、東京など大手紙や無知蒙昧で理性をかなぐり捨てた野党の反対を退けて、なんとか安保法制を成立させたことで初めて可能になった。

9.11でアメリカを支援して参戦しなかった「情けない同盟国」日本

アメリカは2001年に同時多発テロ攻撃されたとき、NATO加盟国に集団的自衛権の発動を求め、カナダ、イギリス、フランス、ドイツほかの加盟国は様々な形でアメリカのアフガニスタン攻撃に参戦し、アメリカを支援した。

このアフガニスタン攻撃を「侵略」などと呼ぶ信じがたい識者がいるが、集団的自衛権行使は国連憲章に基づくものであり、国連安保理決議によって承認されている。

しかし、本来ならば、アメリカの同盟国日本も、集団的自衛権を行使してアフガニスタン攻撃に参戦すべきだった。日本がアメリカを「同盟国」と呼ぶのであれば、本来はそれが同盟国としての当然の責務である。

しかし、情けないことに日本は参戦しなかった。9.11では日本人も20人以上殺されたというのに。参戦しなかったのは、日米安保条約アメリカ有事の際、日本が集団的自衛権を行使して参戦すると明記されなかったからだ。

背景には、日本国憲法の重大な欠陥がある。日本はGHQ占領下で作られた半人前憲法をありがたがって、欠陥をそのまま放置し、独立後も改正を行わなかった。

それに加えて異常な憲法解釈により「集団的自衛権は持っているが行使できない」とか「海外派兵はできない」、「自国が組織的な武力攻撃を受けた時以外は、防衛出動できない(それ以外の事態における自衛隊の武器の使用は正当防衛に限られる)」など、独立主権国家ではあり得ない方針を自らに課してきた。

そんな国がアメリカと対等な同盟関係を築けるだろうか。築けるはずがない。同盟といっても、日本はアメリカに助けてもらうだけ。アメリカが困っていても日本は知らん顔。これが日米安保の実態だ。

日米安保による有事の米軍出動の約束が、戦後日本の平和をもたらした

日米安保条約では、日本国内の米軍基地などが武力攻撃された場合、日本がアメリカと共同で戦う義務が規定されている。「日本国内にある」という点がポイントで、米本土やグアム、ハワイなどは対象外である。

しかし、今の平和ボケした大方の日本人は、おそらく国内の米軍基地が攻撃されても、参戦に反対する人が多数を占めるだろう。「日本自体が攻撃されたわけではない」とかなんとか言って。

しかし、そんな主張が日本の世論の多数を占めることがアメリカ側に伝われば、間違いなくアメリカ世論は反発して、「それでも同盟国か」という非難が湧き起こるだろう。日米関係は深刻なダメージを受けるに違いない。

もっとも、日本人の多くに非戦思想を刷り込んだのは、当のアメリカである。改正したくても、とてつもなく高いハードルを設けて改憲できないようにしたアメリカの責任も重い。

このように、非常に脆弱な同盟関係ではあるが、とにもかくにも日本には、有事の際、共同で戦うと明言してくれる同盟国がある。戦後75年以上、北方領土竹島を不法占拠されながらも、日本が何とか平和を保ってこられたのは、この日米同盟があるからだ。

しかし、近隣に3つの核保有国が存在し、3つが3つとも武力威嚇や武力攻撃をいとわない独裁国家であることが明らかとなった今、日本がこれからも平和であるためには、もはや日米同盟だけに頼るわけにいかないことは明らかだ。

「国防の義務」の導入を。有事に戦う気概を持った国民となろう!

国を守る気概を持った国民を育成しなければならない。有事には、自衛隊と共に戦うという人が多数派にならなければいけない。戦い方は様々でよい。武器を取る人は武器を取り、後方支援する人は後方支援する。その人に合ったやり方でよいのだが、そのためには予備自衛官即応予備自衛官、一般予備自衛官補、技能予備自衛官補)になるのがよいだろう。

www.mod.go.jp

国民の多くが予備自衛官となって(ジェンダー平等を信念とする女性ならば、当然女性も応募すべきである)、自衛隊を支える国民の裾野を今の何倍、何十倍、何百倍と拡大していかなければならないと思う。

日本国憲法には書いてないが、独立主権国家の国民には国防の義務がある。これを否定する人間には自由や人権や民主主義を語る資格がない。

自由も人権も民主主義も国民国家の中で実現される。その国家が外敵によって破壊されようとしているとき、国民が国防のために立ち上がらないなんてことが考えられるだろうか。国がなくなってしまえば、自由も人権も民主主義も吹き飛んでしまうのである。

悲しいことだが、今の日本には、国防の義務を当然のことと考える愛国心を持った人間は少ない。「戦争反対」という空虚な言葉が国全体を覆い、国土防衛意識や愛国心を育成する学校教育も社会人教育も全く手つかずのままだ。

自衛隊国防軍にし、半人前国家を脱して「普通の国」になる

軍事力はどうか。これも、憲法自衛隊を書き込む程度の改憲にすら反対する人がいるという、目も当てられない惨状だ。自衛隊の装備は優れたものかもしれないが、憲法と法律がその有効活用を禁じている。

言ってみれば、柄袋(つかぶくろ)をかけて抜けないようにした刀のようなもの。これをいつでも使える名刀にするには、自衛隊国防軍にして、防衛法制も諸外国並みに改正し、国際法で禁じられたこと以外は何でもできる「普通の軍隊」にしなければならない。それをやってこそ、平和を守るための本物の軍事力と誇ることができる。

日本の現状は極めて危うい。「平和が大事」と口で言っているだけで、平和を守るための行動が伴わない日本は、実は戦争を抑止する力が弱い状態にある。

既に書いたように、今のところ、日本の平和を担保し、戦争を抑止しているのは日米安保条約であり、同盟国アメリカの軍隊である。さしあたって日本にできることは、日米同盟を強固なものとし、米軍に世界最強の軍事力を維持してもらうこと、そして「核の傘」の威力を強めてもらうことである。

アメリカは核巡航ミサイル開発を継続せよ

しかし、最近残念なニュースがあった。バイデン政権が、せっかくトランプ政権が始めた核巡航ミサイルの開発を中止したというのである。

www.nikkei.com

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記事には、

高官は「米国は敵の限定的核使用を抑止するために多様な核戦力を維持している」と説明。

とあるが、本当だろうか?

本当ならウクライナ軍への直接支援を頑なに拒む理由はないはずだ。ウクライナが求める飛行禁止空域の設定も拒むのは、それをやればロシアが核を使うかもしれないという恐怖があるからだろう。

自らの核抑止力に自信があるなら、ロシアの威嚇など恐れる必要はないはずだ。この高官の言う「敵の限定的核使用を抑止するための多様な核戦力」が本物なら、もしロシアが限定的核使用に踏み切れば、それはロシア自体の壊滅的被害をもたらすはず。それを分かった上でプーチンが核攻撃を命じることはありえない。

アメリカがウクライナの直接的な軍事支援に及び腰だという事実が、「敵の限定的核使用を抑止するための多様な核戦力」の不確かさを雄弁に物語っている。

日本をはじめアメリカの核の傘に頼る国々にとって必要なのは、アメリカに核抑止力を万全なものにしてもらうことだ。核巡航ミサイルの開発と実戦配備はそれに資するものではないだろうか。

日経記事には、渡部恒雄氏(笹川平和財団上席研究員)がコメントを寄せている

軍縮を進めるためには、まずは対抗する関係国がほぼ同規模の戦略を持たなければ削減への交渉が始まりません。中国が核軍縮交渉に後ろ向きな理由です。

遠回りのようですが、まずはこれまで核軍縮条約に縛られていない中国と核戦略で互角にならなければ、中国は核軍縮交渉には乗ってこないでしょう。

全体の核弾頭数では米国が中国よりも大きいのですが、我々が暮らす北東アジアの戦域においては、核弾頭を搭載できる中国の中距離弾道ミサイルが配備されていますが、INF全廃条約の影響で米国の中距離弾道ミサイルの配備はゼロです。米国の巡航ミサイル開発断念は日本にとっては懸念材料です。

バイデン大統領は、「核なき世界」という理想論をぶち上げたリベラルなオバマ大統領の影響を強く受けている。ロシアの侵略という前代未聞の大事件を受けてなお、党内左派への配慮を優先し、核巡航ミサイル開発をやめてしまうところにリベラル派の限界がある。

一方の米共和党は、「力による平和」を信奉する点で米民主党よりも信頼できるのだが、有力な次期大統領候補がいないのが致命的だ。トランプ氏はスタンドプレーが目に余る。しっかりした側近がコントロールすれば、それなりのことができる人だとは思う。しかし、些細なことで頼れる側近も解任してしまうから、とても次期大統領にふさわしいとは言えない。

かつて民主党から彗星の如くオバマ氏が現れ、あれよあれよという間に大統領に上り詰めた。同じ現象が今度は共和党に起きてほしいものだ。