回り灯籠

憲法9条を改正してグローバルスタンダードの国防軍を創設し、新しい日本を築こう

「憲法に緊急事態条項がある国は9割超」~衆議院法制局長

3月31日に開かれた衆議院憲法審査会について、NHK「海外では9割超の国 憲法に緊急事態に関する条項規定 戦争・内乱・災害など想定している例多い」と報じていた。

さらに、ロシアの侵略を受け戦争のさなかにあるウクライナも、憲法の緊急事態条項に基づいて議会の会期延長を行うなど、実際に同条項が運用されていると述べた。

憲法に緊急事態条項を入れることに反対する人の気がしれない。我々は福島第一原発津波による事故で、「想定外」のことが起きる恐ろしさを嫌というほど知ったというのに、その想定外への備え、最悪の事態に対する備えを担保する緊急事態条項の導入に反対するというのだから、これほど道理に合わないことはない。

「そんなものがなくても何も困らない」と言う人は、未来に起きるあらゆることを予測でき、そのあらゆることが起きても現行憲法とその下での法令で難なく対応できると信じているのだろう。

これはもうほとんど宗教みたいなものだ。宗教者は「信じる者は救われる」と言っていれば安心するのかもしれないが、我々凡夫はそんな空虚な信仰にすがって生きるわけにはいかない。

いざ「想定外」の事態が起きたとき、緊急事態条項がないことで、やるべきことがやれなかったら誰が責任をとるのだろう。

立憲民主党枝野幸男氏は「(緊急事態条項がないことで)具体的に何か困ることがあるのですか?」(産経新聞)と言ったらしいが、そんな問いかけ自体が愚問である。困ることがあるかどうかは、緊急事態が起きてみなければわからない。

news.yahoo.co.jp

わからないから、最悪の事態に備えて緊急事態条項を創設し、非常時には同条項を根拠に(つまり超法規的にではなく)、平時には認められないようなこともできるようにするのだ。

この場合、権力の濫用にならないように、一定期間後に国会の判断を仰ぐように歯止めをかけるのは、当たり前のことだろう。

たしかに現行憲法の下でも緊急事態対応の法律はあるが、所詮は現行憲法の枠内で認められることしかできない。新型コロナ対応でも、短期間に厳しい規制をやって一挙に抑え込んだ方がいいという意見もあったが、結局、憲法違反の恐れが生じるような厳しい規制はできなかった。

パンデミックが始まって以来、憲法を改正しなければ欧米並みのロックダウン(都市封鎖)はできないとする意見をよく耳にした。一方、ロックダウンは我が国になじまないという見方もある。しかし、なじむかなじまないかは状況次第。最近のはやりの言葉を使えば、「選択肢があったほうがいい」。

将来、どんな感染症が蔓延するか分からないが、一時的に国民に不便を強いてでもロックダウンをやったほうがいい場合があるかもしれない。その時にロックダウンをやりたくても、「憲法を改正して緊急事態条項を設けないとできません」ではお話にならない。非常時になってから憲法改正をやっても(そもそも非常時に憲法改正なんかできない)、もう手遅れである。

「権力の濫用を招く恐れがある」と批判する人は、ならば世界の9割超の国の憲法に緊急事態条項が入っているのはなぜなのか、と少しは頭を使って考えてみるべきだ。世界の9割超の国の憲法にイチャモンを付けるということは、9割超の国と国民にイチャモンを付けているのと同じことだ。

そういう人は、緊急事態条項のある国に直接行って、「権力の濫用を招く恐れがあるから緊急事態条項には反対。憲法を改正して同条項を外すべきです」と言ってみたらいい。どんな反応が返ってくるか。

その国の人が「緊急事態条項のない日本は素晴らしい国ですね」と言ってくれるかどうか。言うはずがないのである。

衆院憲法審査会 緊急事態対応を議論(NHK3月31日)

大災害など緊急事態への対応について、今日の衆議院憲法審査会で各党が意見を交わし、日本でも憲法を改正して条文を整備すべきだという意見が出された一方、関係法令が整備されており、改正の必要はないという意見も出されました。

今日開かれた衆議院憲法審査会では、戦争や大規模な災害などの緊急事態への対応について海外での事例をふまえた議論が行われました。この中では、衆議院法制局長が「海外では9割を超える国で憲法に緊急事態に関する条項が規定され、戦争や内乱、災害などを想定している例が多い」ことを説明しました。

また具体的な例として、ウクライナ憲法には、緊急事態に議会の会期を延長することなどが盛り込まれていて、今回のロシアによる軍事侵攻を受けて実際に運用されていることが紹介されました。

この後、各党による意見表明が行われ、自民党などからは「日本でも憲法を改正して条文を整備すべきだ」として、国会の機能を維持するための議員任期の延長や有事の際に国民の人権をどの程度制約するのかなどを規定すべきだという意見が出されました。

一方、立憲民主党などからは、「日本ではすでに緊急事態に対応するための関係法令が整備されており、憲法改正の必要性はない」という指摘や「権力の濫用を招く恐れがある」という意見も出されました。